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第二章 株価について学ぶ

全ての投資家が得られる不変的な情報が株価

株式投資をおこなう上で、我々個人投資家が絶対的な信頼をおけるものがある。その後何十年、何百年経とうと変わりようがないものだ。

それは、実際の相場で取り引きされた株価である。

わずか1分前に取り引きされた株価は、その後どんなに年月が経とうと変わることはない。そして、その株価の変化をグラフに表したチャート(罫線図 : けいせんず)も同様に不変的なものと考えてよいだろう。

我々個人投資家は、その株価の変動をみることによって、実際に株価が上昇しているという事実を知ることができるし、下落しているという事実を知ることができるのである。

例えば、長年同じような株価水準で一進一退を繰り返している銘柄があるとしよう。その銘柄に、ある日を境にある一定の買いが断続的に入ったとしたなら、株価はどのように変化するだろうか。

今まで売りの力と買いの力がほぼ同じで、ほとんど動かなかった株価が、その日を境にジリジリ上昇をはじめるのである。その会社にまつわる情報など、いくら探してもないのにだ。

一部のプロフェッショナルな投資家が、それこそ極秘で入手したすばらしい情報や詳細な分析情報を元に、断続的に買いを入れはじめてきたのだ。売りの力と買いの力の拮抗が崩れたのである。その「崩れた」という事実がわかるのは株価の変動のみであり、それ以外に何があるというのだろう。

我々個人投資家は、現在、株価がどのように動いているのかをきちんと見る必要があるのである。そして、実際に上がっているという事実、下落しているという事実、更には株価が動かないという事実をしっかり認識する必要があるのである。

取り引きされた株価を連続的に表したのがチャートだ。多くの個人投資家は、過ぎ去った過去の株価などみてどうするのかなどと言い立てる。

しかし、取り引きされた株価というものは、我々個人投資家を含むあらゆる投資家が平等に得られる情報であり、おそらく唯一、不変的といってもよい情報なのである。

個人投資家が、株でコンスタントに利益を上げ続けるためには、この唯一信頼できる情報(株価および株価の変動)をきちんと分析しないことには不可能といってもよいだろう。

なるほど!(コラム) 

株式を買うということは、その株価が将来上昇するとみているから買うのである。これは、個人投資家も、国内機関投資家も、外国人投資家も同じである。もちろん、違法な株価操作をおこなっている投資家も、株価を吊り上げて売り抜ける仕手筋だろうと同じだ。
それまで、売りの力と買いの力が拮抗していて、同じ位置で株価が停滞している状況に、新しい情報を持った投資家が参入すればどうなるのかは、先程記述したとおりだ。

我々の主目的は、安く買って高く売ることによって得られる差益(キャピタルゲイン)を得ることなのである。その拮抗を崩した投資家が誰であろうと関係ないのである。それが、表面化したときとは、既にその投資家は投資を行なった後である場合がほとんどで(投資をおこなう前に表面化したら、大間抜けだということぐらい誰でもわかるであろう)、何も材料が表面化していないのに、拮抗が崩れたからこそ投資妙味があるのである。
誰が買っても、少なくとも株価にだけは、その事実が現れてしまうということ、だから株価あるいは株価の変動をグラフ化したチャートを観測し続けなければならないということを忘れないでいただきたい。

 

      

 

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