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第四章 株価の基本的な動きを学ぶ

株価の流れをしっかり認識することが重要

前章では、売りの力と買いの力が戦って、その逆転したところ(転換点)をとらえるのが基本だと述べた。更に、その逆転した株価にいたる経緯をしっかり把握することによって、より効果的な(リスクの少ない)転換をとらえることが可能であるということも詳述している。
その際に、重要なのが株価の流れを知ることである。ここでは、どのように株価の流れをとらえればよいのかを述べてみる。

株価の流れを表すのが「斜線」である。ここではその斜線の基本的な引き方を学んでみよう。2003年のバブル後最安値をつけた前後の、セイコー(東証一部8050)を例に、斜線の引き方を説明してみる。

図3は2001年5月から2004年2月までの週足チャートである。1本のローソク足が1週間の始値、高値、安値、終値を表している。

チャートをみてまずおこなうことは、株価全体はどのように流れているのかを仮定することである。
定規やペンなどの直線の棒を持って、チャートにあてていただきたい。そうすれば図に示すような、大きな流れがみえてくるだろう。

2002年後半に向けての大きな下落と、2003年から2004年に至る大きな上昇の流れだ。重要なポイントは流れが逆に(下向きから上向きにまたは上向きから下向きに)なるところだ。

斜線を引く際には、下落時なら上値斜線(全体的な流れの上側に引く斜線)、上昇時ならば下値斜線(全体的な流れの下側に引く斜線)だ。

すなわち、その線を切らないで大きく上昇、下落することはありえない線である。

例えば下落時の斜線を引くならば、下落の流れの中心にあてたペンや定規をそのまま上側に平行移動する(角度を変えずにずらす)のである。そうしたときに、ローソク足の実体やヒゲがはみ出さないように、その範囲で一番飛び出た2点を結ぶのが基本だ。

同様に上昇時も引線すれば図3のようになる。下落時は①の斜線でA、B点をそれぞれ結んで延長した斜線、上昇時は②の斜線でC、Dの点をそれぞれ結んで延長した斜線だ。

そうすると不思議なことがわかるであろう。下落時①の斜線ならばE、上昇時②ならばFのような点だ。同じようにこの斜線付近で押さえられているのである。

このように、3点以上の支持があるような斜線はその信頼度は高いといってよいだろう。

要点を図4にまとめてあるので、参照していただきたい。

要点(6)、飛び出しについて補足しよう。

株価の変化には一定の流れがある。ただ、取り引きがあまり活発でない銘柄で、一人の投資家がどうしても現金を得る必要から株式を売却した場合など、一時的に株価が振れる場合がある。

また、ごくまれに証券会社などによるコンピュータのインプットミスで、間違った株価での発注が不正な株価をつける場合もある。

このような場合は、すぐに本来の株価に戻る。つまり、長いヒゲとなって(一部長大陽線や陰線となることもある)チャートに記録されてしまうのである。

斜線を引くということは、株価の流れをとらえるのが目的であって、飛び出たところの2点を結ぶのが目的ではないということがわかっていれば、惑わされることはないだろう。

ただ、はじめてチャートをみる投資家、斜線を引きはじめて間もない投資家は、あまり飛び出しを意識しないほうが良い。

飛び出しだと判断した点が、とても重要な株価の位置となって、その後の流れを決定付ける重要な点となることはよくあるからだ。

この斜線については、世の中一般にトレンドラインとして広く知れ渡っている。しかし、柴田罫線理論の斜線法ほど厳密で、堅実な理論の元で引線されている斜線は、まずない。この基礎講座ではその基本的なさわりの部分のみの解説となってしまうが、それでもレベルは高い。

斜線は株価の流れをとらえるために引線する
上昇時は下側、下落時は上側に引線するのが基本

 

     

 

 

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