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第四章 株価の基本的な動きを学ぶ

株価の流れはたった一つではない

株価の流れをしっかり把握するために斜線を引くということを、少しは理解していただけたかと思う。

しかし、実際に斜線を引こうとすれば、前頁までに解説した流れとは違う流れをチャートから感じとった方も多いだろう。

同じセイコー(東証一部8050)の週足チャートを別の角度からみてみよう。図5を参照していただきたい。

セイコー(東証1部8050) 週足チャート大きく下がって大きく上がる流れが、前頁で確認した流れだ。しかし、その流れの中には、もっと多くの小さな流れがあることがわかるであろう。大きな流れに対する目先の流れで、A~Gに示す流れだ。

このように、大きな上昇あるいは下落の流れの中には、必ずといってよいほど、小さい上昇下落の流れがあるのである。

もちろん、その流れをあらわす斜線も同様に引線していただきたい。上昇時なら下値斜線、下落時なら上値斜線だ。

更に、週足チャート上の目先の流れとしてとらえた「Dの流れ」を拡大して日足チャートでみたものが図6になる。

図5では一気の上昇にみえたDの流れも、細かくみればより小さないくつもの流れで構成されていることがわかるであろう。もちろん、更に細かく分析をすることも可能だ。

どれが正しくて、どれが間違っているのではない。この後で、流れが変化したときが一つの売買ポイントであることを説明するが、要は

① 自分がどの流れをみている(観測している)かが重要であり、
② その流れは、どのような大きな流れの中にあるのかを知ることが重要

なのである。

①の自分がみている株価の流れとは、これから投資しようとした際にその株を購入してから売却するまでの投資期間、すなわち投資スタンスに深く関わる部分だ。

例えばデイトレードで利用される1分足チャートで、1時間ほど連続して下落した流れが変化したところをとらえても、その日の中での売買タイミングをつかむ程度にしか活用できない。株を買ったら1年は持ち続けるような長期投資スタンスの投資家には、あまり意味がないのだ。

野球の勝敗を占う際に、1回の表、裏の戦いをみて判断できるのはその日の勝敗が限界であろう。1、2試合の結果をみて判断できるのはその週の勝敗程度だ。そのシーズンの優勝の行方を占うならば1、2ヶ月の流れは最低確認するだろう。全く同じことだ。

②の、大きな株価の流れを知ることの重要性とは次の様に整理される。

セイコー(東証1部8050) 日足チャート例えば図6の日足チャート上、目先の株価の流れに沿って投資を行なおうとした際に、その売買ポイントとして認識するのは、目先の株価の流れが変化したところだ。その投資期間(スタンス)は、おおむね2週間から1ヶ月程度であろう。

では、目先の株価の流れが下落に転じた際に信用売りを仕掛け、上昇した際に手仕舞うと共に、買いを仕込むのがベストな投資法であろうか。

図6をみればわかるであろうが、このように大きな流れが上昇中にあれば、当然目先の上昇時(J、Lなど)は大きく上昇し、下落時(I、K、Mなど)は小さいのである。

すなわち、目先の上昇時に「買い」を仕掛ければ大きくとれる可能性が高いものの、下落時に「売り」を仕掛けても、なかなか利益を生まないことが多いのだ。

このように、一つ大きな(あるいはさらに大きな)株価の流れを知ることとは、投資する方向が効果的かどうかを知ることであり、逆に大きな流れとは反対方向に仕掛けた際に、大きなリスクがあることを十分に認識することでもあるのだ。

当然、「買い」であるならば大きな流れが「上昇」、「売り」であるならば大きな流れが「下落」にあるときに仕掛けるのが、基本だといえよう。

投資スタンス(買ってから売るまでの期間)にあわせて、株価の流れをしっかりとらえていただきたい。

 

みている株価の流れより、さらに大きな流れを必ずみる
大きな流れに逆らっての投資は高いリスクを伴う

 

     

 

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