◇第四章 株価の基本的な動きを学ぶ
* 保ち合い相場の注意事項とその他の保ち合い相場 *
保ち合い相場とは、株価が同じような位置で拮抗(きっこう)している状態である。その保ち合いの上値線あるいは下値線を、上あるいは下に切ったところが投資の急所である。
しかし、多くのチャートをみていると、多くはその通りに動いているものの、ごくまれに違った動きをするものがある。これまでに記述した原則を理解したら、これらの内容も例外として頭に入れておいて欲しい。
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平行な保ち合い相場でも三角保ち合い相場でも同様だが、保ち合いをいったん力強く切ったものの、すぐに反転し、反対方向に大きく株価が変動することが、まれにある。この際には反転し、再度保ち合いゾーンを通過し終わったところが仕掛けるところである。もちろん仕掛ける方向は反対方向だ。 例えば、十分に下落した位置で保ち合い相場にあるとき、上に放れるとみて観測していたところ、下に切ったとしよう。そのような場合は、売りを仕掛けるのはいったん保留だ。 これは、売り方が最後の力を振り絞って売ってきたり、買っていた投資家の中の、弱気筋が株価が動かないことに業を煮やし、いっせいに売ってきたことを表している。それらの売り方が一斉に売った後には、待ってましたとばかりに買い方の攻勢がはじまるのである。 相撲で、横綱と平幕の力士が1分を越えるような大相撲になったときを想像していただきたい。 本来、力が無いはずなのに拮抗を崩した場合には、その方向に力が出切ってしまえば、その反動はより大きく反対方向に振れるのだ。 |
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② |
平行な保ち合い相場で、いったんその相場から放れたものの、再度その保ち合い相場 に戻ってきて、その保ち合い相場に留まるという動きを1、2度繰り返す場合がある。 このようなとき、相場はそちらの方向に進んでも、すぐに戻されてしまうということを表し、基本的にはその反対方向に放れた際に大きく動く。もし、何度か進んだものの戻されてしまう、その方向に投資をしたいのならば、その戻された株価より更に大きく放れた際に投資をおこなうのである。 前回(第15回)に掲載した図20、千趣会(東証1部8165)の週足チャートの例で、CとDの保ち合い相場を日足チャートに拡大したものが図25、26だ。原理原則がわかれば、この動きも理解できるであろう。 |
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