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六章 短期で売買するのか、中期か、長期か

実践とシミュレーションの違いを心得る

 

前章に限らないが、実践での売買と、シミュレーション(仮想)上での売買とでは、大きな違いがあることをしっかりと認識する必要がある。

我々は、幅1メートル程の歩道を通行することに、我々は何の恐怖も感じないであろう。音楽を聴きながら、考え事をしながら、あるいはよそ見をしながら歩いていても、障害さえなければふらつくことさえないだろう。
しかし、これが全く同じ道であっても、その両側に手すりのない、落ちたら助かる見込みのない谷底にかかる橋であったらどうだろう。
例え、ぐらつくことのないコンクリート製の橋で、無風であっても、同じように歩くことはできない。それどころか、足がすくんで谷底に転落しかねないのである。
実践とシミュレーションとは、それ程違うのである。

これを克服して、シミュレーション通りに売買できるようになるためには、何度か失敗を繰り返すことになる。しかし、この失敗を大切にしていただきたいのである。
今までは、投資で失敗をしたときに「運が悪かった」とか、「仕事が忙しくてみていなかった」とか、「突然の金利引き上げは予期できなかった」など、自分が納得できる理由をみつけて終わらせる。
しかし、これからの投資は、自分がどの投資スタンスで、どのような流れをみて、どのポイントで売買したのか、それが適切であったのかが、時間の経過とともにはっきりわかるのである。
失敗の原因をきちんと整理できるのだ。

すなわち失敗すれば、そこで得られた教訓が次回の投資に生かされるという循環ができあがり、失敗を重ねるごとに、上手な投資ができてくるのである。
自分の苦手な売買法、あるいは得意な売買法がわかれば、更に利益率が高くなってくるのである。

これは、自動車を運転しはじめた頃に似ている。今でこそ、何の不安もなく運転できるが、運転免許を取得したばかりの頃は全く違ったはずだ。きちんと教習所で習った通りに運転していても、何度もヒヤッとすることがある。交差点では手に汗を握り、右折レーンに並ぶ。時には車体を擦ってしまうこともあったはずだ。
ただ、それを積み重ねなければ、今の(運転できる)自分はないということを誰もが知っているはずだ。

失敗するつもりで投資(運転)をしている人は誰もいない。あくまで、全力で取り組む必要があることはいうまでもない。ただ、その結果が失敗であったのならば、目を背けないでいただきたい。その「失敗」を大切にして欲しいのだ。
なぜなら、その失敗で心に刻み込まれた教訓が、これから投資をおこなっていく上での、最大の宝となりうるのである。

では、このような投資の失敗、あるいは成功をしっかり教訓として自分の心に刻むためには、どうすれば効果的なのだろうか。
手っ取り早い方法は、売買をしっかり管理することだ。

投資家それぞれその管理法は違うが、一つ例を挙げてみよう。
多くの投資家は銘柄管理を証券会社に任せてしまっている。しかし、そこで管理されているのは、いくらで購入し、現在の評価額がいくらか、そしていくらで売却したかである。
その情報は大切には違いないが、今後の利益には結びつかない。先程述べたように、投資の失敗を、あるいは成功を次回の投資に役立たせるための管理をおこなわなくてはならないのだ。

画像をクリックするとPDFファイルが表示します。投資ノートをつけていただきたいのである。パソコン上で管理しても、ノートで管理しても構わない。

何の銘柄を、
いつ、
いくらで、
何株、
買ったのか、売ったのか、それは新規の売買か、追撃の売買(買い増し、売り増し)か、
その時の投資スタンス(出動から手仕舞いまでの期間)は超短期か、短期か、中期か、
目標株価は、
損切り株価は、
日本株全体の大きな流れ(大勢)はどうか、
どのような銘柄群に属しているのか、その銘柄群は上昇にあるのか、下落にあるのか(テーマ)、
どのような理由で売買したのか(どのような流れが変化したところをとらえたのか)、

…などをしっかり記述するのである。

その後、

観測している株価の流れが変化したとき、
大きな株価の流れが変化したとき、
それによって追撃売買をしたとき、
手仕舞い(利益確定や損切り)をおこなったとき、

それぞれ、追記していくのである。

そして、その株式での投資が終了した時に、うまくいった、うまくいかなかった、何がいけなかったか、何が良かったのか、終了した時点での反省点を列記するのだ。

重要なのは、その後3ヶ月、あるいは6ヶ月後に、再度振り返ることだ。終了したばかりの時には気付かなかった点が、チャートができあがってからみればよくわかるのである。
注意しなければならない株価の位置で、全く注意していなかったとか、株式相場全体を全く無視していただとか、下値斜線を切っていないのに売却し、その後株価が急騰していただとか、さまざまな事実がわかるのだ。

それらをしっかりと確認し、書き留めていただきたい。投資家は損した事実を忘れようとし、他の利益で相殺しようとする。思い出したくないのである。その「努力」の結果、都合の悪いことは、忘れてしまうものである。
これでは、せっかくの「損失」が単なる無駄金になってしまう。何一つ学ぶことができなければ、必ず同じ過ちを繰り返す。

そうではない。
投資の履歴を残すことによって、しっかりと「失敗」が自分の胸に刻み込まれるのである。多くの投資家の中で、日々のチャートにせよ、投資ノートにせよ、「書く」ことを実践している投資家に、負け続けている人は本当に少ない。

100万円投資して、10万円の損切りが発生しても、その10万円で多くの勉強をしていただきたいのだ。そうすれば、必ず10万円をはるかに超える利益となって自分に返ってくるのである。
投資ノートの例を掲載する。決してこの通りにしなくてはならない訳ではないが、一つの目安にしていただきたい。

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シミュレーションと実践は雲泥の違い!
投資ノートをつけ、自己管理ができるように訓練せよ!

 

       

 

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